社長ブログ

2014.12.09

「ITシステムの目的」と「ITシステム導入時に明確にすべきこと」

 今日は、「ITシステムの目的」と「ITシステム導入時に明確にすべきこと」について書きたいと思います。

「ITシステムの目的」とは何でしょう?とお聞きすると、以下のような答えが返ってきます。

・業務を便利にする。
・業務を効率的に進めてくれる。
・膨大なデータを短時間のうちに処理してくれる。
・経営の意思決定を支援してくれる。
etc・・・

どのお答えも正解だと思います。一言で言えば、「ビジネスを支援する」ということになります。

では、現在、社内のITシステムはそのような形になっていますか?とお聞きすると、
現状はいろいろな課題があって必ずしも期待通りになっていないというお答えが多く返ってきます。

それは何故なのでしょうか?

考えられるのは、ITシステムを導入する時、自社のビジネスに対する、そのITシステムの位置づけが不明確なまま導入されたのではないでしょうか?

ITシステムを導入する時に以下のことを明確にしておく必要があります。

1.ターゲットとするユーザは誰か?
経営層向けなのか、管理者向けなのか、現場向けなのか、顧客向けなのかをはっきりさせることで、システムの目的も明確になります。

2.ビジネスに対する目的
一番重要なポイントです。業務効率を向上させるためなのか、売り上げを向上させるためなのか、コストを削減するためなのか、顧客満足度を向上させるためなのか、新規顧客獲得のためなのか、人為ミス削減のためなのか、自社のビジネスのどの部分を支援するのかを明確にします。

3.システムの機能
上記1、2を考慮しつつ、当該ITシステムに要求される具体的な機能を明確にします。通常は、現在の業務に対応する部分(例えば、特定のレポートなど)をIT化するのですが、「今までやっていた作業だから」とあまり深く考えずに、IT化するのはお勧めできません。一度、業務の棚卸をしつつ、本当に必要な機能をIT化するようにした方がよいでしょう。

4.他のシステムとのデータ受け渡し
ひとつのITシステムを導入すると、既に他のITシステムが稼働していた場合、お互いのITシステム間でデータの受け渡しをした方が効率的な場合があります。その場合は、上記3のシステムの機能を決める時に、他システムとのデータ受け渡しの機能を追加しておきましょう。

5.いつまでに稼働させたいか?
現代のビジネスはスピードが重要です。当然、誰しも短時間のうちに導入したいと思うのですが、ITシステムが複雑になればなるほど、システム開発期間は長くなります。自社のビジネスを基準に考えた上で、上記3の機能を絞り込むなどして納期を短縮するなどのトレードオフが必要です。

6.どれくらい費用がかけられるか?
当然、経営者からすれば、ITシステムにかかる費用は重要なポイントです。ビジネスへの貢献度と比べて、その費用のパフォーマンスを考える必要があるでしょう。

ITシステムは、ビジネスの為の単なる道具(ツール)です。それ自体を開発したり、運用したりすることが目的ではありません。ビジネスの活性化が本当の目的なのです。
どうか、ITシステムを導入される際には、このことを思い出していただければ幸いです。

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