社長ブログ

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2014.11.30

IT専門家はITすべてに精通しているか?

 今回は、「IT専門家」について書きたいと思います。

皆様は、「IT専門家」についてどのようなイメージを持たれているでしょうか?
「ITシステム開発をする人」、「コンピュータのH/Wに詳しい人」、「インターネットの事に精通している人」、「LANやWANなどのネットワークを構築する人」など、様々な答えが返ってくることでしょう。

しかし、「IT専門家」というと、前述したことすべてのことが出来るスーパーマンのようなイメージを抱かれている方が時々いらっしゃいますが、そのような方はそれほど多くはないと思います。
他の業種で考えてみるとわかります。例えば、銀行員全てが、預金業務、融資業務、与信業務・・・など、すべての銀行業務に精通しているかというと、そうではない筈です。そのうちの一部の業務に精通しているという感じではないでしょうか?

もちろん、ITシステム開発をする場合、システム開発に関連する、プログラミング言語の知識、OSの知識に加え、H/W知識やネットワーク知識も必要となってきますが、それぞれの分野の専門家のレベルまでは知らなくても可能です。そのようなことは必要に応じて、その分野の専門家に相談しながら開発を進めればよいからです。

「IT専門家」はいろいろな職種や分類があると思いますが、以下にざっと整理してみます。
1.システム・エンジニア(SE) ~主にシステム構築時の設計業務を行う。
2.プログラマー ~システム構築時にプログラミング業務を行う。
3.データベース管理者 ~社内のデータベース設計・更新業務を行う。
4.ネットワーク・エンジニア ~社内のネットワーク設計・保守業務を行う。
5.システム運用管理者 ~インフラ(H/W、ネットワーク)構築・保守業務を行う。
6.システムサポートエンジニア ~システム運用時にユーザサポート等を行う。
7.ITインストラクター ~ユーザに対してITシステムなどの操作指導を行う。

上記に加え、社外の専門家として以下のような職種もあります。
8.ITコンサルタント ~その企業の経営戦略に関わるIT課題の解決策の提案を行う。
9.セールス・エンジニア ~IT専門会社の営業提案業務を行う。
10.カスタマー・エンジニア(CE) ~主にハードウェアメーカーに所属して、顧客先のH/Wの保守業務を行う。

いかがでしょう?これですべてではありませんが、「IT専門家」といっても様々な職種があることがお分かりになったことでしょう。

大企業においては、上記の1~7の職種の人材を雇用しているわけですが、中小企業ではそれぞれのIT専門家を抱えることは難しいのが現状です。

しかし、よく考えると、そもそも、これらの人材は、自前で大きなシステムを所有して運用するから必要なのです。

ですから、その解決策として、中小企業は、自前で大きなITシステムを構築するのではなく、クラウドシステムの利用、IT人材の養成とEUC(エンドユーザ・コンピューティング)の推進を検討することをお勧めします。

そうすることで、最低限のIT人材で、御社のビジネス活性化のためにITシステムを上手に活用できることでしょう!

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2014.11.24

IT初心者がITシステムを構築するのは難しいのか?

 今回は、「IT初心者がITシステムを構築することは難しいのか?」「その問題点は?」というお話をしたいと思います。

昔、ITシステムは、バッチ処理(データをまとめて処理する方式)が中心だったために、汎用機(いわゆる大型コンピュータと呼ばれるコンピュータ)用に、システムエンジニアやプログラマーと呼ばれる専門家がシステム開発をして、オペレータと呼ばれるコンピュータ運用の専門家が運用をするという分業体制でした。

もちろん、今でも、銀行や保険会社などのように大量データを扱うような場合は、そのような形での運用となりますが、今やコンピュータの性能が飛躍的に向上し、運用がそれぞれの部門に任せられるようになってくると、運用もオペレータから一般ユーザ(IT専門家でない皆様方)に移管されるようになってきました。

一般ユーザもパソコンの普及に伴い、文書作成ソフトや表計算ソフトでパソコンを使う機会も多くなり、インターネットの普及で、ITに関する知識も得ることができるようになりました。スマホの普及もその一翼を担っています。

一般ユーザの中でも、パワーユーザと呼ばれる優れたITリテラシーを持った人たちも出てきました。場合によっては、IT専門家の知識を凌駕する人たちもいるほどです。

ITシステムを構築する為のツール(FileMakerなど)も初心者でも可能なものも数多くリリースされています。ですから、初心者でもITシステムを構築するのは容易になったと言えます。ITシステムでも単純なものであれば初心者でも十分構築が可能だと思います。

ただし、注意しないといけないこともあります。
IT専門家でない方は、ITシステム構築の基本の部分をご存知ないかもしれません。IT専門家なら当然考える、システムの拡張性、保守性、安全性などのことが抜けてしまうケースが考えられます。データベースの設計もそれなりの考え方があります。

例えば、システムを構築した人しかメンテナンスできないシステムだったら、その人がある日突然いなくなったらどうなるでしょう?大変なことになりますよね・・・

結論としては、初心者でもITシステムを構築することは可能ですが、必ずIT専門家のアドバイスを受けて、ITシステム構築の基本を押さえて構築した方がよいということです。

私は、EUC(End User Computing)を推奨しているので、どんどん一般ユーザの方に、自社のITシステムの構築をしていただきたいと思っています。それにはちゃんとIT専門家のアドバイスを受けるということが重要です!

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2014.11.18

業務パッケージを導入する時に考慮すべきこと

 今回は、「業務パッケージ」を導入する時に考慮すべきことについて書きます。

「販売管理」、「顧客管理」、「在庫管理」、「給与管理」、「会計」など様々な「業務パッケージ」が世の中に出回っています。「業務パッケージ」は、自社専用に一から作るより価格が安く、早く運用を開始できるというメリットがありますが、安易に導入すると思わぬ落とし穴が存在します・・・

まず、業務パッケージを導入する場合に考慮すべきポイントを以下に書きます。
【機能性自社の業務にあった機能をもっているかです。たとえ、パッケージにある機能がなくとも自社の業務をパッケージの機能に合わせられればOKです。
【操作性】~直感的に使いにくいもの・メニュー構成がわかりにくいものは避けた方が無難です。操作ミスなど運用に関わってくるからです。
【データ容量】~そのパッケージで想定しているデータ量が自社のデータ量(現在と将来も含めて)を扱えるかです。すぐにパンクしそうであれば、余裕のある別のパッケージにしましょう。
【拡張性】~CSV形式などで外部にデータを書き出したり、逆に外部からデータを読み込める機能があると、他のシステムと連動できます。また、パッケージにない帳票などを自分で作成したりできるほか、将来的に別のシステムにリプレースする時にシステム内のデータを取り出すという点では重要なポイントです。
【保守性】データをバックアップしたり、リストア(戻すということ)したりができないと、困ったことになります。例えば、パソコンがクラッシュした時に、バックアップをUSBなどの別のメディアに取っておけば、別のパソコンにパッケージをインストールして、データをリストアすれば運用を継続できますが、それができなければどうなるかを想像しただけで大変です・・・
【価格】~全ての考慮点を検討して、総合的に見て決めましょう。間違っても、単に安いというだけで選んではいけません。逆に高くつくかも知れません・・・

さて、パッケージ導入時の考慮点はご理解いただけたと思いますが、最初に「安易に導入すると思わぬ落とし穴が存在します」と申し上げたように、これらの考慮点から外れた業務パッケージはいろいろな問題をはらんでいることがわかります。

上記の考慮点以外にも、「いつまでその業務パッケージを使うか?」ということもある程度想定しておいた方がよいでしょう。会社規模が大きくなってきて、その業務パッケージでは対応が難しくなるということも生じてきます。そうなる前に、別パッケージへのリプレースや自社開発を検討するようにした方がよいでしょう。

すでに、業務パッケージを導入されている会社もおありかと思いますが、もし、そのパッケージがこの考慮点から外れるようでしたら、いろいろなリスクがあることをご認識いただき、次に業務パッケージをリプレースする時には上記の考慮点をご参考にパッケージをお選びいただけたら幸いです。

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2014.11.13

CRMでビジネス活性化を図る!

 今回は、CRM(Customer Relationship Management)について書こうと思います。

CRMは「顧客満足度向上」と「企業利益拡大」を両立する経営手法ですが、ITを積極的に活用することで、より効果的に実現することができます。

大雑把に言えば、CRMは、既存顧客、いわゆる「お得意様」を大事にすることで、継続的な受注を獲得するという考え方ですが、その実施には「顧客情報データベース」が必要になります。

御社では、どのお客様が、どの店で、いつ、何を、どれくらいの頻度で、いくら購入しているかを15分以内に資料として作成することができますか?

これらのデータは以下のような形でビジネスに活用できます。
・特に大事にしなければいけない上得意のお客様(頻度も購入金額も多い)を選定して、特別な提案をする。
・頻度の少ないお客様には、セールの案内(来店割引)やお誕生日割引など来店を促すような働きかけをする。
・購入されている商品から、シリーズの新製品案内や関連商品の提案をして、新規購入や購入単価アップをする。

エクセルでこういったデータを管理して、販促に活用しているというケースもあるかと思いますが、手作業で毎回資料を作成したり、顧客宛に1件ごとにメールやはがきを書くのは大変です。
だからこそ、これらをITシステムとして構築して、対象の顧客に自動的に案内のメールを出せるようにしたら、顧客も喜び、御社も楽に継続的な売上が上がるという、いわゆる「Win-Win」の関係が構築できるというわけです。

もちろん、ITシステムは単なる道具ですので、ITシステムさえ構築すればよいというわけではありません。
これらのITシステムの仕組みを利用して、効果的なプロモーションを展開する主体は御社です!

でも、こうすれば、IT活用がビジネスの活性化につながるのだということをお感じいただけたのではないでしょうか?

弊社では、上記のようなITシステム構築のご相談を無料で行っておりますので、少しでもご興味がございましたら、ホームページからお申し込み下さい。

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2014.11.08

ITシステム構築で考慮すべきこと

今回は、一括受託契約における「ITシステム構築で考慮すべきこと」を書きたいと思います。

通常、一括受託契約で、ITシステムを新たに構築する時の手順は以下のとおりです。
1.要件定義
システムの目的、機能、入出力するデータ(ファイルや帳票等)、システムの使用者、納期、予算、運用方法、前提条件などをITシステムを依頼する業者に提示する為のドキュメントを作成します。
[考慮点]要件定義があいまいだとシステムの開発が始まってから、大きく仕様が変更になり、納期遅延や追加予算の発生などの問題が出てきます。

2.発注先の決定&発注
コンペで発注先を決める場合は、複数の業者に要件定義書を提示して各業者の提案書と見積りをもらい、発注先を決定します。
[考慮点]この段階で業者から出てくる見積りは概算というレベルで、予算取りの為の見積りという認識でいた方がよいと思います。その為、見積りが多め、あるいは、少な目になっている可能性があります。業者によっては、見積り精度をあげるために仕様決定後に再見積もりをすることもあります。

3.システム設計~仕様・スケジュールの決定
決定した業者との打ち合わせを重ねて、業者に「仕様書」「スケジュール」を作成・提示してもらいます。この段階で初めて、システムの詳細(画面や帳票のイメージやプログラムの構成など)が見えてきます。
[考慮点]発注側は仕様書の内容をよく吟味して、開発にGOを出さなければなりません。ここで決まったことがシステムの完成形ですから、後で内容の変更や追加が必要になった場合、納期の遅延や追加予算の発生を招くばかりか、システムのバグの発生を招いたりします。それほど重要なステップです。また、スケジュールは想定外の事も発生することもあるので、余裕をもったスケジュールにしておいた方がよいでしょう。

4.システム開発(プログラミング)
業者がスケジュールに基づき、システムのプログラムを作成します。通常、複数の開発者がかかわる場合はサブ・システム(システムの機能毎のまとまり)ごとに並行して、システムを作成います。定期的な業者との打ち合わせで、その進捗やアウトプットを確認します。
[考慮点]業者からのアウトプットが実際に見えてくると、当初イメージしていたのと違うと感じることがあります。仕様書で提示されているものと違う場合は業者に指摘できますが、仕様書に提示されている通りであれば、業者には依頼しにくい状況です。ただ、発注側では業者のアウトプットを見て初めてその問題を認識することが多いのも事実です。システムにそれほど影響のない軽微な修正や追加であれば対応してもらえると思いますが、必須項目が足りないなどの問題は、データ構造にも関わってきますので、そのようなことがないよう「仕様書」の段階で十分チェックしておいた方がよいでしょう。

5.システムのテスト
システムの形ができてくると、業者側では当然テストをしますが、発注者側でのテストもしなければなりません。発注者側ではシステムの操作や使い勝手は勿論のこと、業務の内容に従い、現行のデータとシステムからのアウトプットが一致するかなどをすべて確認します。もし、想定した結果と違う場合は業者に指摘してプログラムを修正してもらいます。
[考慮点]このステップはシステムの完成度を高めるために非常に重要です。業者はプログラムの機能からの視点でプログラムをテストしますが、発注者は、業務の視点でプログラムをテストしてください。特に、部署や機能を跨るデータについて問題がないかを十分にテストしてください。テストが不十分だと後で苦労するのは発注者なのですから・・・

6.データ移行~並行稼働
プログラムにひととおり問題がない段階になると、本番稼働に向けて、現在進行形で発生するデータ(本番データ)をシステムに取り込まなければなりません。そして、現状の処理と本番データを使ったシステムの処理を並行稼働させて、結果の不整合がないかをチェックします。これで、問題が発生しなければ、晴れてシステムだけの運用(本番運用)が稼働できるのです。
[考慮点]システムをソフトランディングするための大事なステップなので慎重にチェックをしてください。
現行の処理とシステムへのデータの入力も同期をとって、並行して実施しないと意味がありませんので、並行期間中は手間が大変ですが、慎重に操作とチェックを実施してください。
もし、この段階で問題が発生したら、すぐに業者に対応してもらわなければなりません。小さな綻びも後で大変な結果に繋がることを肝に銘じてください。

7.本番運用
並行期間が無事終わり、システムに問題がなさそうなら晴れてシステムの本番運用となります。並行稼働していた従来の処理を中止して、システムのみの運用になります。
[考慮点]本番運用になってからでも、システムのバグが発見されることがあります。業者との契約で納品後のシステム不具合の無償対応期間が規定されている場合はその規定に従うことになります。通常、長くても6ヶ月程度です。それを過ぎると有償対応となりますので、納品後のシステムの運用に関しての問題は早めに業者に連絡してください。

8.全般
[考慮点]業者とのやり取りは、言った・言わないということの無いように、必ずドキュメントでやり取りしてください。できれば、メールではなく、Excelなどで案件台帳のようなものを作り、お互いに情報を共有できるようにしておいた方が問題点の把握や履歴がわかって、お互いに助かると思います。

以上、一括受託契約における「ITシステム構築で考慮すべきこと」を思いつくままに書きました。いろいろと発注側も大変だということを感じられたでしょうか?

弊社では、上記のような「一括受託契約」の問題点をなくすために、「定期契約」でのITシステム開発サービスをご提供しています。詳しくは、以下のページをご覧ください。

「定期契約型ITシステム開発」サービスのお知らせ

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