社長ブログ
2015.10.04
クラウドサービスの利用動向についての考察
こんにちは。オフィス・イーユーシーの池本です。
今回は、クラウドサービスの利用動向についての考察とクラウドサービス導入時の注意点の説明をします。
国内におけるクラウドサービスの導入状況を見ると、資本金50億円以上の企業では5割の企業が導入しており、資本金1000万円未満でも3割の企業が導入しています。全体的に見ると、平成24年末(28.2%)から25年末(33.1%)にかけて4.9ポイント上昇しています。(データソースは総務省の平成26年版情報通信白書)
業種別にみると、金融・保険業が最も多く、次いでサービス業・その他、建設業、卸売・小売業となっています。
では、クラウドサービスを導入した理由は何でしょう?以下がその理由のトップ10です。
①資産、保守体制を社内に持つ必要がないから
②初期導入コストが安価だったから
③どこでもサービスを利用できるから
④既存システムよりもコストが安いから
⑤安定運用、可用性が高くなるから(アベイラビリティ)
⑥システムの容量の変更などが迅速に対応できるから
⑦機器を選ばずに同様のサービスを利用できるから
⑧サービスの信頼性が高いから
⑨情報漏えい等に対するセキュリティが高くなるから
⑩システムの拡張性が高いから(スケーラビリティ)
主に機能面やコスト面の理由が挙げられています。
さて、逆にクラウドを導入しない理由は何でしょう。以下がその理由のトップ10です。
①必要がない
②情報漏洩などセキュリティに不安がある
③クラウドの導入に伴う既存システムの改修コストが大きい
④メリットが分からない、判断できない
⑤ネットワークの安定性に対する不安がある
⑥通信費用がかさむ
⑦ニーズに応じたアプリケーションのカスタマイズができない
⑧クラウドの導入によって自社コンプライアンスに支障をきたす
⑨法制度が整っていない
⑩その他
特徴的なのは、「必要がない」(42.8%)という理由です。次いで、「情報漏洩などセキュリティに不安がある」(37.4%)、「クラウドの導入に伴う既存システムの改修コストが大きい」(22.9%)です。
合わせて考えると、クラウド導入企業は、時間と費用面でのメリットを重視しており、その恩恵を享受していると言えます。
反面、クラウドを導入していない企業は、クラウド導入の必要性に疑問を感じており、セキュリティ面での運用不安を感じているのではないでしょうか?
ただ、5割もの大手企業がクラウドを導入している現実を考えると、必要性への疑問やセキュリティへの不安は、ある意味、漠然としたものではないでしょうか?実際に、導入しても本当にメリットが無かったらこれほどクラウドが普及することはないはずです。
また、大手企業がクラウドを採用する理由の根源は、コストセーブだけでなく、スピードではないでしょうか?
毎年のように、ハードウェアのリプレースに費用・人員・時間を費やすのをやめたいというのは当然の論理です。それだけでなく、経営スピードを迅速化するという命題を実現するためにクラウドは大きなメリットがあるのでしょう。
さて、クラウドは大手企業だけでなく、中小企業、零細企業にも当然、同様のメリットがあります。
しかも、小さな企業ほど、大手企業のように、昔からの大規模なシステムをクラウドに置き換えなければならないというシガラミは少ないでしょうから、そのメリットをすぐにでも享受できるのです。
それから、クラウド導入にあたっての注意点をいくつかご説明します。
①クラウドサービスは信頼できる業者のものを使う。(セキュリティや運用面)
②業務パッケージ以上にシステムのカスタマイズはできないことを考慮する。
③クラウドサービスと内製システム(自社で開発したシステム)との連携を考慮する。
④データのバックアップは自社でも実施する。
ぜひ、上記注意点を考慮の上、中小企業、零細企業でも、クラウドの導入を前向きにご検討ください。
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